SOAPの解説ブログは読んでくれましたでしょうか。
まだの方はしっかり読んでおいてくださいね。
さて今回は臨床情報の価値と題しまして普段みなさんが当たり前のようにしている患者へのヒアリング、そこから得られた情報をどう活用して治療戦略を組み立てるのかを簡単に解説したいと思います。
臨床情報の価値ピラミッド
臨床情報には価値ピラミッドというものがあります。(命名タケヒロ)

- Treatment Effect Modifier
治療方針が決まる情報 - Prognostic Factor
治療効果を減弱させるもの、治療の妨げになるもの - Risk Factor
再発予防における危険因子
①は存在すると治療方針が決まるので3つの中で最も価値が高いと言えます。
それぞれの情報例を考えてみます。
Risk Factor
- 肥満
内臓脂肪型の肥満はマクロファージの貪食を誘発(炎症反応) - 肉体労働(職業)
身体疲労の蓄積、椎間板モデル(脊柱病変に限る) - 運動量(不足または過剰)
運動不足による身体の負荷耐性の低下、身体疲労の蓄積 - 完璧主義
痛みの易誘発性 - 睡眠不足
交感神経の興奮が高まり痛覚が過敏に(≒神経感作) - 栄養状態(食習慣)
加工食品などは炎症を誘発 - アルコール
消化器、肝臓での炎症を誘発
Prognostic Factor
- 鬱や不安
痛みの易誘発性、運動療法に対する過剰な恐怖心など - 破局的思考
治療に消極的または懐疑的な態度 - 精神ストレス
交感神経の興奮が高まり痛覚が過敏に(≒神経感作) - 誤った健康知識
こちらの意見を聞き入れない自称健康オタク
ネットの健康情報による自爆(糖質制限などでよくある) - 合併症
糖尿病や骨粗鬆症など治療の妨げになるもの - 初回の痛みの程度
一般に痛みの程度が強いほど治療が長引く傾向 - 年齢
一般に高齢者ほど治療期間が長引く傾向
Treatment Effect Modifier
- Centralisation
マッケンジー法における痛みの中枢化現象 - DP
マッケンジー法における好反応が得られる特定の運動方向 - 神経学的検査
・次の3つのうち2つ以上が確認できれば神経根症
デルマトームに沿った筋力低下・感覚異常・腱反射の減弱
・次の両方が確認できれば末梢神経感作
末梢神経の圧痛、テンションテスト陽性
など - スペシャルテスト
各疾患に対応する検査法
上記以外にもあるとは思いますがそれは自分で考えてみてください。(思考トレーニング)
CentralisationとDPがわからないという方はマッケンジー法の理解が激浅です。
治療戦略の組み立て

治療戦略はこれらの情報を用いて組み立てるものでありその中身は以下のようになります。
Treatment Effect Modifierを元に治療方針を決め
Prognostic Factorを元に運動強度や手技による負荷強度を調整し
Risk Factorを排除することで再発予防を行う
どれも欠かせない情報ではありますが、まずはTreatment Effect Modifierを優先的に把握しないことには治療方針が定りません。
このブログで紹介しているTreatment Effect Modifierの中でみなさんに馴染み深いものは神経学的検査とスペシャルテストで、いわゆる徒手検査の類になります。
徒手検査の選定はどのように行いますか?
おそらく多くの方は問診から得られた情報を元に病態予測を立て、徒手検査で答え合わせをしていると思います。
つまり正確なTreatment Effect Modifierを把握するためには問診が非常に重要ということです。
ちにみに問診で正確な病態予測ができていないと徒手検査の精度がめっちゃ落ちるよって話も以前しています。
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集-tsudoi-では耳タコかよってぐらい問診が重要って言ってる気がします。
ではまたっ。