タケヒロベースに申し込む

「椎間板モデル」:腰痛における髄核の変位を考えてみる

どうも、スズキタケヒロです。

今回は髄核の変位と腰痛のつながりについて考えてみたいと思います。

目次

まずは椎間板のおさらい

https://commons.m.wikimedia.org/w/index.php?search=Intervertebral+disc&title=Special:MediaSearch&type=image

腰椎の椎間板は髄核とそれを取り囲む線維輪で構成されます。

髄核はゲル状で、若年では70〜90%が水分で構成され、その構造的性質から椎骨への荷重を持続的に軽減し衝撃吸収の機能を果たします。

線維輪は15〜25のコラーゲン線維が同心円の層となり構成されています。

http://www.neurospine.jp/original27.html

椎間板は脊柱の安定に重要な組織であり、安定化には線維輪の中のコラーゲン線維の構造が一役買っています。(上図参照)

腰椎レベルでは垂直から約65°の角度で配列されていて、隣接する線維層とは反対方向の配列になっています。

これにより椎間の垂直離開や剪断、捻転に耐えることができるわけです。

全ての配列が垂直だと垂直離開には耐えられても剪断や捻転でThe Endです。

逆に全ての線維輪配列が平行に走行した場合、剪断や捻転には強い耐性をもちますが垂直離開には耐えられません。

素晴らしき人体構造といったところでしょうか。

上の図だと全ての線維輪が髄核を完全包囲しているように描かれていますが実はこれは少し間違っていて、後外側1/4部分では隣接する層と癒合していて不完全な構造になっています。

ヘルニアの好発タイプって後外側方向へのヘルニアでしたよね。

ついでに椎体終板もおさらい

https://visual-anatomy-data.net/index.html

椎体終板は椎体の上面と下面を覆う結合組織の薄い軟骨嚢です。

生まれたばかりの頃は椎間腔の50%を占めるくらい厚いですが、成長とともに薄くなり成人では5%ほどになります。

椎間板と椎体終板は強力に結合していますが、椎体と椎間板は石灰化軟骨で結合し、これは結合力が弱いです。

椎体と椎間終板の結合部分はいわゆるウィークポイントであり、反復負荷によりまず骨折する部分になります。

椎間板の栄養とかその辺の話

椎間板への血管は線維輪の末梢層のみのため、椎間板の大部分は損傷などに対する治癒能力は低いです。

栄養の供給源は線維輪の血管っぽいですが、実は隣接する椎体内に貯留されている血液から栄養を受けています。

椎体内の血液が椎体終板を越えて栄養を運び込んでくれています。

例えば老化などで椎体終板に石灰化などが起こると椎体内からの栄養供給が低下し、細胞代謝やプロテオグリカンの合成が上手くできなくなります。

プロテオグリカンの量が減れば水分を引寄せる能力が低下し、髄核内の水分含有量も減ってしまい本来の機能である衝撃吸収能力も低下してしまいます。

椎間板の含水量の日内変動について

睡眠中など脊柱が垂直方向の重力から解放されると髄核は水分を引き寄せて膨張します。

起床して直立し、体重を支え始めると椎間板に圧縮力が加わり水分が押し出されます。

この膨張と圧縮は身長に対して1%ほどの日内変動をもたらします。

朝起きたてで170cmの人は夜には168.3cmになってるってことですね。

椎間板の含水量は年齢とともに低下するためこの日内変動が確認できるのは35歳未満のようです。

 

簡単なおさらいはこの辺までにして本題の髄核の変位の話に移りましょう。

髄核の変位

ぼくは国際マッケンジー協会認定セラピストという資格を持っています。

マッケンジー法認定資格ってことです。

で、マッケンジー法の講習の腰椎編では髄核の変位について何度も講師が話をする場面がありました。

マッケンジー法の評価では患者をタイプ別に4分類します。

その4分類の中で比較的すぐに改善可能なものがあります。

それがDerangement syndrome(ディレンジメントシンドローム)と呼ばれるものでこれは髄核の変位によるものだとされています。

マッケンジー法を知らない人には意味不明な話ですよね。
そんな方はこれを読むとスッキリするかもしれませんよ。

腰椎において

髄核が前方変位したものを前方Derangement

髄核が後方変位したものを後方Derangement

髄核が側方変位したものを側方Derangement

なんて呼んでいます。

断面で模式図にするとこんな感じ

それぞれ髄核が前方、後方、側方に変位している状態です。

マッケンジー法においてはこの髄核の変位を整復するといった考え方をよくします。(初学者は特に)

腰痛で起きている変位

腰痛患者さんを髄核の変位というメガネで見るとこういうことが起こっています。

前方変位
後方変位

マッケンジー法においてはこの変位をエクササイズで整復しようと考えるわけです。

 

ここで考えたいのは腰椎肢位と椎間板内圧の関係です。

 

腰椎が屈曲or伸展だと椎間板内圧がどうなるかって考えたことはありますでしょうか。

ぼくが腰痛患者さんの対応をするときはこの絵が常に頭の中に浮かんでいます。

屈曲肢位では椎間後方が広がり前方が圧縮されるので椎間板内圧は後方へ抜けていきます。

伸展肢位では椎間前方が広がり後方が圧縮されるので椎間板内圧は前方へ抜けていきます。

 

これにより髄核の変位が起こるわけですね。 

 

そしてこれを利用すれば髄核の整復を行うことが可能になります。

前方変位に対しては屈曲エクササイズを行えば理論上、整復が可能です。

  

逆に後方変位に対しては伸展エクササイズを行えば理論上、整復が可能です。

 

セラピスト業界ではマッケンジー法=伸展体操という誤った認識が浸透していますが、この一因として後方変位が圧倒的に多く、伸展エクササイズでの改善率が非常に高いことがあるとぼくは考えています。

 

おまけ:ギックリ腰でも考えてみる

現場に出ている人なら誰もが経験あるであろうギックリ腰の患者さん

とくに酷いものだと前弯変形や後弯変形などの急性変形をきたしますよね。

 

はい、ここでピンときた方もいるかもしれませんが

腰痛における急性変形は髄核の変位が高度なものということです。

こんな状態になったら神経障害(スライド、伸長)も起きても不思議ではありません。

なぜかはこのブログを読んでもらえればわかります。

本ブログの内容は「椎間板モデル」という考え方になります。

あくまで考え方の一つなのでこれが絶対というわけではないと思いますがシンプルに腰痛を考えるのには大いに役立つ考え方になります。

参考にしていただければ嬉しいです。

さらに深く知識を手に入れたい、一緒に学ぶ仲間が欲しい
そんな方はぜひ臨床家の学校集-tsudoi-へ

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URL Copied!
  • URL Copied!

この記事を書いた人