タケヒロベースに申し込む

ストレスと脳のつながり

ストレスと脳のつながりの画像

どうも。スズキタケヒロです。

今回はストレスと脳のつながりについてです。

長引く過度なストレスが体に良くないのは多くの方が知っていることかと思います。

ではなぜ良くないのか?

これを説明できる人はそう多くはありません。

今回はそのブラックボックス的な部分を解説していきます。

ストレスによる影響

ストレスは脳に影響を及ぼし結果的に腹側迷走神経(副交感神経)の活動を低下させます。

脳は交感神経の過活動状態に突入しストレスに対抗するのですが、それでもストレス対抗が間に合わなくなると背側迷走神経が発動して失神や虚脱を起こします。

ではストレスで副交感神経が死ぬのか?

体に有害なストレスを受けると脳内ではノルアドレナリンやドーパミンに濃度が上昇します。

これらの物質が脳の前頭前野で高まると神経細胞の活動は低下します。

そしてストレス状態が慢性化すると前頭前野の樹状突起は萎縮を起こします。

一過性のストレスであれば再生機能が働きますが長期化すれば再生機能は働きませんのでThe Endです。

そしてこの前頭前野には何があるかと言うと腹内側前頭前野(左右)という重要な部分があります。

https://commons.m.wikimedia.org/w/index.php?search=Ventral+prefrontal+cortex&title=Special:MediaSearch&type=image

右腹内側前頭前野 → 同則の交感神経を抑制

左腹内側前頭前野 → 同則の副交感神経を刺激

つまりどちらも副交感神経の活動を後押しする部分です。

どちらの機能低下が起きても交感神経過活動状態が起こります。(=副交感神経死んでる状態)

しかし見方によっては脳の機能低下=脳の血流量低下→血圧および心拍上昇で脳への血流量確保とも捉えられるので防御機構とも言えるかもしれません。

脳を守るための防御機構で脳がバグる。

なんとも不器用です。高倉健状態です。

またストレスを受けるとHPA軸という経路での反応が起こります。

これは視床下部がストレスを認知し、なんやかんやあって神経物質のGABAってやつの量が低下したり、ストレスが長期化すると海馬がバグるやつです。

ここで出てきたGABAという神経物質は交感神経活動を抑えて、副交感神経活動を促進します。

ということでGABAの量が低下するとこれまた交感神経過活動状態に突入するわけです。

HPA軸とは

ストレスを受けると視床下部からCHRが分泌されそれにより下垂体からACTHが分泌されます。

ACTHは副腎に作用してコルチゾールを分泌させます。

https://commons.m.wikimedia.org/w/index.php?search=HPA+axis&title=Special:MediaSearch&type=image

コルチゾール:血糖値上昇、抗炎症作用など短期的にはストレスに対する反応ですが長期化すると炎症を止められなくなる可能性がありそうですね。

そしてコルチゾールの量をモニタリングしているのが海馬です。

コルチゾール過多になれば「下垂体そろそろ落ち着けや」という風に海馬が制御をかけます。

しかし長期間ストレスを受け続けると海馬がいかれてきます。

それにより物忘れや記憶障害などが出現します。

またストレスが長期化すると前頭前野の神経細胞は萎縮を起こします。

そしてここには腹内側前頭前野が存在していましたよね。

ここが萎縮して機能が低下、つまり交感神経のストッパー&副交感神経のサポーターの機能が低下するわけです。

いよいよ交感神経過活動状態に突入です。

そうなると副腎からはカテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)が分泌されます。

血圧上昇、心拍増加などが分かりやすい反応です。

ストレスにやられている状態をチェックするのには血圧、心拍を確認するといいかもしれませんね。

ぼくは他にも対光反射なども確認します。

理由はもう分かりますよね。

縮瞳が起きなければ副交感神経が働いてないと判断できるからです。

縮瞳が起きないって相当逝っちゃてると思いますけど。

とにかくストレスにやられている体は基本的に交感神経過活動状態になるということです。

ただし最初に言ったように、交感神経過活動状態を通り越すと背側迷走神経が発動して失神や虚脱を起こします。

こうなると心拍数や血圧は真逆の反応を起こしますので気をつけましょう。

 

ちなみにストレスにやられると脳の青斑核の機能もおかしくなるようです。

この部分は中枢神経系の中でも最多のノルアドレナリンを含むニューロンが集中している部分で痛みの中枢性制御なんかにも関与しています。

https://commons.m.wikimedia.org/w/index.php?search=Locus+coeruleus&title=Special:MediaSearch&type=image

「ストレスは体に悪い」これは誰でも知ってることですが「なぜ体に悪いのか?」を説明できる人はそう多くはありません。我々セラピストは知っておいて損はないかなと思います。

もっと詳しく自律神経について知りたい方はこちらをご覧下さい。

 

参考および引用書籍・サイト

集-tsudoi-のブログでは以下のリストを参考もしくは引用しています。

書籍

サイト

ストレスと脳のつながりの画像

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人