どうもどうもタケヒロです。
今回は肩関節複合体の機能不全の鑑別方法について解説します。
用いる検査は外旋筋の筋力検査です。
動画で見たい方はこちらへ
このブログでは動画よりも丁寧になぜ鑑別が可能なのかを解説します。
検査手順
- 患者は背中を伸ばして座位、上腕内側を体幹にピタリと付けて、肘90°で小さく前ならえ状態
- 術者は片手で三角筋部を把持、もう一方の手で患者の前腕部を内旋方向に押し込む
- 患者に外旋方向に抵抗してもらう
と、ここまではおおよそ誰でも知っている外旋筋力検査法だと思いますが、まだ続きがあります。
- 次に患者の背後に周り肩甲骨を内転固定する
- 肩甲骨の内転固定を維持したまま再び内旋方向に患者の前腕部を押し込む
- 患者に外旋方向に抵抗してもらう
これで鑑別検査の手順が終了となります。
検査結果から見えること
便宜的に①〜③を検査A、④〜⑥を検査Bと呼ぶことにします。
検査Aと検査Bを比較、その結果で解釈が異なります。
検査A |
筋力低下+ or 疼痛誘発+ |
筋力低下+ or 疼痛誘発+ |
検査B |
筋力低下− or 疼痛誘発− |
筋力低下+ or 疼痛誘発+ |
機能不全箇所 | 肩甲胸郭関節 | 外旋筋 |
- 検査Aで筋力低下や疼痛誘発を認めたが、検査Bでは検査Aと比較すると筋力低下や疼痛誘発が減少または消失した。
この場合、機能不全は肩甲胸郭関節と考える。 - 検査Aで筋力低下や疼痛誘発を認め、検査Bでも同じ結果となった。
この場合、機能不全は外旋筋と考える。
検査Aのみを実施して、筋力低下や疼痛誘発があれば「あぁ外旋筋に何かしら問題があるな」となると思います。
そこに検査Bを追加して、筋力低下や疼痛誘発が減少または消失した場合、肩甲骨のポジショニングをサポートしたことでそのような結果になっていると理解できます。
肩甲骨のポジションを適切な位置にしたことで筋機能が上がったということです。
つまり肩甲胸郭関節上での肩甲骨のコントロールができていないと解釈ができます。
検査Aと検査Bで結果が変わらない場合、肩甲胸郭関節は関係なしと判断できるため、シンプルに外旋筋の機能不全と考えます。
肩甲骨のコントロールとは
肩甲胸郭関節上での肩甲骨のコントロールができていない
これはどういうことを意味するのかわかりますか?
答えられない人は千木良先生のバイメカセミナーの肩関節編のおさらいをおすすめします。