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胸部の痛み

どうも、タケヒロです。

ここのところ基礎に立ち返った内容のブログを書いているのですが今回は胸部痛についてです。

本題に入る前に胸部痛についての事前共有をしておきましょう。

胸部痛と言っても原因は様々で、肋間神経痛のような軽いものから心筋梗塞のような命に関わる疾患まであります。

さらに痛みだけではなく、圧迫感や絞扼感などの訴えも胸部痛として考えていこうと思います。

分類

末梢性の胸部痛

表在性胸部痛

  1. 表在痛
    胸部の皮膚に分布している痛覚受容器に加わった刺激が、脊髄神経から外側脊髄視床路を通り、視床を経由して大脳皮質感覚野に到達し感知される最も局在性が明確な痛み。皮膚の火傷や外傷、放射線による皮膚炎や皮膚の瘢痕などが原因で起こる。放射線による皮膚炎は10年以上経ってから出ることもある。
  2. 深部痛

    筋、筋膜、腱、骨膜などの受容器に加わった刺激が中枢に伝わり、表在痛と比較すると局在性に乏しい痛み。筋、筋膜からの痛みは、過度な運動、筋肉の伸張、局所炎症とそれによる浮腫や乳酸の蓄積によって起こる。骨膜では骨折や打撲、炎症、腫瘍の骨転移などが原因となる。

内臓性胸部痛

胸腔内臓器が傷害されて起こる痛みです。

  1. 内臓痛
    内臓自体から起こる痛み。内臓は切っても、潰しても、焼かれても痛みを感じません。しかし拡張や伸展といった力学的な刺激や血管閉塞による酸欠とそれによる乳酸蓄積などの生理活性学的刺激によって痛みを感じます。これらの知覚は自律神経脊髄路を介して感知され、痛覚は交感神経により伝えられます。その他内臓感覚は迷走神経によって伝えられます。自律神経求心路によって伝わる痛みは鈍く、局在性の不明瞭な、漠然とした痛みとして感じられ、そもそも感じられないこともあります。
  2. 関連痛
    原因臓器からの求心線維が入る脊髄と同じ皮膚分節上に感じる痛み。胸腔臓器だけではなく腹腔臓器からの関連痛が胸部に出ることもあります。胃・腸管:Th6〜11、肝臓:Th6〜10、膵臓:Th6〜10、脾臓:Th5〜12
  3. 体制痛
    壁側胸膜、横隔膜から起こる痛み。これらにはわずかではありますが体性知覚神経が分布しているので、非常に敏感で、弱い刺激でも簡単に痛みが発生します。Aδ線維によって伝達されるので局在性の明確な鋭い痛みとなります。

神経傷害による胸部痛

  1. 分節性神経痛
    脊髄神経が前枝と後枝に分枝する部分に傷害されると起こる痛み。デルマトームに沿った痛みが出現します。帯状疱疹による神経根障害、大動脈瘤などによる圧迫が原因となります。
  2. 肋間神経痛
    骨折など外傷により肋間神経が圧迫や刺激されると起こる痛み。胸膜炎も原因となります。
  3. 頚腕神経痛
    頚部脊髄神経が障害され、頚部や上肢も痛み、胸膜や前胸部に痛みが生じます。椎間板症、頸椎関節炎、腕神経叢の刺激などが原因になります。
  4. 中枢痛
    脊髄視床路と視床皮質放線(視床〜大脳皮質)のどこかの障害で起こる痛み。脳血管障害の後遺症、脳腫瘍、脳軟化症で起こることがあります。脊髄性の中枢痛では脊髄空洞症や脊髄腫瘍が原因となります。

内臓性胸部痛の原因

心臓からの痛み

機序

心臓は拍動や圧迫で痛みを感じることはなく、痛みを感じる機序は不明な点が多いそうですが以下が考えられています。

  • 冠状血管の攣縮(痙攣性の収縮)や閉塞による虚血
  • 心筋の酸欠
  • 虚血や酸欠のよる乳酸(内因性発痛物質)の蓄積
  • 大動脈壁や冠状血管の急激な伸展

原因疾患

狭心症、心筋梗塞などのい虚血性心疾患

狭心症
心筋梗塞
労作型安静型
痛みの表現圧迫感
締め付けられるような
石で潰されるような
えぐられるような
発症労作時安静時突然
緩解安静血管痙攣が止まるまで安静でもどんどん悪化
発作時間数十秒〜数分間30分以上
ニトログリセリン効果あり効果なし

大動脈からの痛み

機序

血管壁の乖離や拡張により、血管壁の交感神経が刺激されて起こります。もしくは拡張した血管が周囲の脊髄神経を圧迫することでも起こります。上行大動脈はの支配神経は右側から、弓部と下行大動脈は左側から支配されているため、上行部の以上は右の胸部と頚部に痛みを感じ、弓部と下行部の異常は左側に痛みを感じます。

原因疾患

腹部大動脈瘤、大動脈解離、解離性大動脈瘤など。

呼吸器からの痛み

機序

炎症、異物、腫瘍などによる刺激で起こります。肺実質、小気管支、臓側胸膜には痛覚神経が分布していないので、これらの部位での病変は痛みを感じることはありません。気管、気管支、壁側胸膜には痛覚神経が分布があり、交感神経と迷走神経により伝えられます。壁側胸膜の肺尖部は腕神経叢、外側部は肋間神経、横隔膜の中心部は横隔神経、周辺部は肋間神経の支配を受けているので、これらの部位での病変は支配領域ではっきりと痛みを感じます。

原因疾患

気管支炎、肺炎、肺結核、肺がんなど。

肺がんは初期では無症状です。キッカケなく発症し徐々に悪化、動作に関係なく痛み、安静時痛や夜間痛があるのであれば強く疑っていいでしょう。

食堂からの痛み

機序

炎症、腫瘍、周囲の病変による圧迫などに刺激で起こります。食道からの痛みは交感神経と迷走神経により伝えられ、痛みよりは異物感や胸焼け、嚥下でのつっかえなどで感じられることが多いです。

原因疾患

食道炎、食道腫瘍、食道がん、噴門痙攣(アカラシア)など。

炎症や潰瘍では痛みよりも胸焼けが、食道がんでは嚥下障害や異物感が先行します。

 

胸部の痛みはものによっては命に関わる疾患が隠れているのでその痛みが危険なのかどうかの見極めは非常に重要になります。

このサイト内のコンテンツは全て臨床家の学校 集-tsudoi- のスズキタケヒロのコンテンツになります。

参考および引用書籍・サイト

集-tsudoi-のブログでは以下のリストを参考もしくは引用しています。

書籍

サイト

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