どうもどうもタケヒロです。




問診シリーズ第5弾です。
「患者さんに行動変容を起こさせよう」こんなセリフをよく耳にします。
行動変容、これは我々の業界に限らずほとんどの業界で起こさせよう的な言い方がされていると感じています。
でもこれってどう思います?
似たような状況を皆さん子供の頃に経験していると思います。
「勉強しなさい、宿題やりなさい」
親からこんなことを言われた経験はありませんか?
これを言われて勉強を、宿題を、やる気になりましたか?
多くの方はNoなんじゃないかなと思います。
無論、ぼくはNoです。
もうお分かりかもしれませんが
人間は強要・強制・指図されると抵抗する生き物です。
最初に戻りますが、「患者さんに行動変容を起こさせよう」というセリフには多くの場合、こんな続きがあります。
「でも、それがなかなか難しい」
難しくしてるの誰なん?て思いませんか笑
サブタイトルにもありますが、行動変容は患者さんから自発的に起こるものです。
起こさせるものではありません。
「行動変容させるの難しいですよね〜」の原因はてめぇだよって話ですね。
「あの患者さんなかなか自宅エクササイズやってくれなくて…」うん、原因お前なって話なんです。
では行動変容が患者さんから自発的に起こるようにするためにはどうしたりいのか。
それをこのブログでは説明します。
なんてことありません、自分目線を捨てて患者さん目線になればいいだけですから。
でも、それが分かってたら苦労しないですよねー。(わかりますよその気持ち)
安心してください、具体的に説明しますから、このブログを読み終えるころには新しい考えが手に入ります。
患者さんのプライドを守れ
行動変容を起こしてもらうためには、患者さんがこちらの言うことに聞く耳をもち、理解し、納得する必要があります。
つまり、人として嫌われたら即ゲームオーバーってことですね。
ですので、まずは嫌われないようにしなくてはいけません。
が、
なにも患者さんのご機嫌を取れということではありません。
余計なことはする必要は全くありません。
その代わり、患者さんが嫌がることは絶対するなです。
嫌われないための人間評価は減点法だと考えましょう。
余計なことをせず、相手が嫌がることさえしなければあなたの点数は下がりません。

そして相手が嫌がることぶっち切りの1位はプライドを傷つけられることです。
人間はプライドに敏感な生き物です。
問診から始まる患者さんとの会話では相手のプライドを守るように意識して行いましょう。
大事なことは相手の責任領域のことをズカズカと聞かないことです。
いい例えが思い浮かばないので全然関係ない例えばなしになってしまいますが、
「学校をサボっちゃった」という話を始めた高校生の患者さんがいたとします。
これに対して「そのことは学校の先生や親には話したの?」なんて言ってしまうのはNGです。
これを言われると、この患者さんは施術者が先生や親に話すべきだと考えていると受け取り、自分はやるべきことをやっていないので責められていると感じてしまう可能性があります。
こうなるとプライドが傷つけられます。
仮に施術者にそのような意図がなかったとしても相手はそう感じてしまうものです。
この場合、「そのことを学校の先生や親は知ってるの?」と聞く方がいいです。
内容としては全く同じですが、この聞き方だとあくまで先生や親が知っているかどうかを問題にしていて、患者さんが言ったかどうかは問題にしていません。
つまり、患者さんの責任の範囲外ことを聞いているのでプライドは傷つきません。
「先生も親も知りません」
仮にこんな返答がきても本人のプライドには関係なく感じられます。
皆さんは
「あなたの意見を言ってください」と言われるのと
「ぜひ意見を聞かせてください」と言われるのとではどちらが答えやすいですか?
おそらく多くの方が後者だと思います。
前者は「相手が言うこと」にフォーカスしています。
相手の責任の範囲内のことを問題にしている上に、指図していることにもなります。
後者は「自分が聞くこと」にフォーカスしています。
内容は同じですが、後者の方がマイルドで、相手のプライドを傷つけにくい言い方になります。
人間はプライドに敏感な生き物です。
そして嫌われないための人間評価の考え方は減点法です。
この2つさえ意識しておけばあなたの口から出る言葉は変わるはずです。
説得はするな
我々施術者の治療の武器は手技やエクササイズだけではありません。
患者さんとの対話も治療をスムーズに進めるために非常に重要な武器になります。
そして患者さんが考えや態度、行動を変えるきっかけになるのは我々の口から出てくる言葉であることがほとんどです。
あれこれ説明して、理解・納得してもらい、実践してもらう。
治療とは言わば説得活動の一種なのかもしれません。
ただし忘れてはいけません。
行動変容は自発的に起こるものです。
これは施術者が会話でどれだけ方向づけを行ったとしても変わることはありません。
患者さんの行動変容は施術者が説得することにムキになって議論すようなことがあってはまず起こりません。
「でもね」や「だけど」、「言わせてもらいますが」などの言葉は禁句です。
自分の声のトーンに患者さんを変えてやるんだという構え、力みが出ないように注意しましょう。
この説得というのが非常に厄介で、この言葉には相手の意見をねじ伏せる、相手に対する命令の性質が含まれます。
相手に「こう考えろ」「こう振る舞え」と求め、相手がその要求に沿った行動をしたときに初めて相手のことを承認します。
「海外の研究データ腰痛は安静にしていてはダメということがわかっています。事実、安静にしてたら悪化しましたよね?」
これを穏やかなトーンで言えばただ事実を語っているだけです。
しかし、強めの口調で言うと
「なぜ体を動かさないのか?海外の研究データを信頼すべきだ」というメッセージを帯びることになりかねません。
これは相手に自宅で体を動かせという行動を迫る発言となっています。
人間は強要・強制・指図されると抵抗する生き物です。
「1週間もすれば痛くなくなりますよ」
安心させるようなセリフですが、これも強い口調で言えば「そう信じなさい」というメッセージを帯びます。
このような説得的なメッセージに対して「わかりました、そうですね」と相手が答えたとしても、それは説得圧力に負け、応じただけなので、自発的なものとはかけ離れたものになります。
つまり説得的なメッセージは相手の自発性を奪い取るということです。
同じ言葉でも説得的な口調を一切排除して言えば全く違うものになります。
重要なのは相手からの「そうですね」や「はい、わかりました」という言葉を引っ張り出すことではありません。
それらを期待する気持ちを完全に放棄することです。
こちらが指示したことをできなかったのであれば、なぜ出来なかったのか、その理由を考えてもらい、対策を一緒に見つけることが重要です。
その過程で患者さんの中で気づきが生まれれば万々歳です。
皆さんにとって気づきを与えてくれる人ってどんな人ですか?
ぼくにとって気づきを与えてくれる人はいわゆるメンター的存在な人です。
「この人の言うことなら間違いない!」って人が1人や2人くらい皆さんにもいますよね?
患者さんにとって皆さんがそういう存在になれれば行動変容なんて勝手に起こると思いませんか?
「腰痛は安静にしていない方がいいですよ」「先生が言うなら間違いない!ストレッチやります!」なんて具合に。
このブログの内容をメンターになるためのテクニックとして受け取っちゃダメですからね。笑
それじゃただの腐れハウツーになってしまいますよ。
そうではなく考え方として身につけてください。
そうすればそれを元に様々な場面での最適解を自分で導き出せるようになるはずです。
ではまたっ。
このサイト内のコンテンツは全て臨床家の学校 集-tsudoi- のスズキタケヒロのコンテンツになります。
参考および引用書籍・サイト
集-tsudoi-のブログでは以下のリストを参考もしくは引用しています。
書籍
- ガイトン生理学 原著第13版
- 筋骨格系のキネシオロジー 原著第3版
- グレイ解剖学 原著第4版
- プロメテウス解剖学 コア アトラス 第4版
- カラー図解 人体の正常構造と機能
- カンデル神経科学
- カパンジー機能解剖学
- 頭蓋仙骨治療
- アナトミー・トレイン
- チャップマンとグッドハートによる神経リンパ反射療法
- オステオパシーの内臓マニピュレーション
- The Mulligan Concept of Manual Therapy: Textbook of Techniques
- 臨床家のための基礎からわかる病態生理学
- マッケンジーエクササイズ頚椎・胸椎―構造的診断と治療法
- 腰椎―マッケンジーエクササイズ
- 「ポリヴェーガル理論」を読む
- からだのためのポリヴェーガル理論: 迷走神経から不安・うつ・トラウマ・自閉症を癒すセルフ・エクササイズ

