今回は筋肉の機能について解説します。
筋肉の機能は?それは関節運動を起こすことです!
みたいなつまんない運動学的内容はカットします。
ちなみにこれは運動学的には半分正解で半分不正解です。
関節運動はアウターマッスルの機能であり、インナーマッスルは関節に適合性向上がその機能だからです。
このブログでは代謝と栄養に視点を絞って解説していきます。
筋肉の6つの重要機能
- 熱産生
- アルコールの分解
- 水分の保持
- ホルモン産生への関与
- タンパク質と筋肉
- 糖質と筋肉
1.熱産生
筋肉は熱産生において重要な役割を果たしています。
身体中の組織の中で最も多くに熱産生をするのは筋肉です。
筋肉が収縮するとエネルギーが発生しますがそのうちの75%が熱として体温保持に使われます。
実は運動エネルギーになるのは25%だけなんですね。
筋肉量が増えれば熱産生が増え、体温が上がり、基礎代謝が向上します。
ここで酵素に目を向けたいと思います。
酵素とは生きるために必要な化学反応(代謝)を起こす物質です。
その酵素の働きを助けるのが補酵素(ビタミン)になります。
この酵素ですが、最も働きが活発になるのが37℃と言われています。
つまり筋肉量が少ないと体温も上がりにくく酵素が働きにくい状態になるということです。
易疲労性、冷え性などの原因になり得ますよね。
2.アルコールの分解
アルコールが肝臓で分解されると代謝産物として酢酸が産生されます。
筋肉ではこの酢酸を分解して炭酸ガスと水に変えています。
しかもその過程で熱エネルギーまで産生します。
筋肉量とお酒の強さは比例しているということです。
アスリート見ればわかりますよね。
酒の飲み方がエグいでしょ。筋肉多いから強いんですよね。
3.水分の保持
身体中で最も水分保持量が多いのは筋肉です。
つまり筋肉量が少ないと水を飲んでも体内に保持できる量は少ないということです。
体水分量は健康成人で体重の60%、女性は男性よりも脂肪が多いのでやや少なくなります。
加齢とともに水分保持量は減少していきますがこれは=筋肉量の減少を意味しています。
高齢者になると健康成人と比較して5〜10kgも水分が少なかったりします。
水で5〜10kgって相当な量ですよね。
そら室内熱中症(脱水)も起こすわけですよね。
「すぐトイレが近くなるから」と水分補給を拒む高齢者は少なくありませんがトイレが遠のく代わりに墓場が近づいてる気がします。
高齢者に必要なことは水分補給よりも補給した水分を保持できるようにするための筋肉です。
つまり運動習慣です。
4ホルモン産生への関与
筋肉が関与するホルモンは以下の通り
- 成長ホルモン
タンパク質合成、糖新生 - ドーパミン
快の感情、意欲、学習、運動調整 - テストステロン
筋肉量・筋力の向上 - ノルアドレナリン
交感神経の活性化、心拍数上昇、脂肪分解、筋収縮速度向上 - セロトニン
消化管機能向上、食欲制御、痛みの認知 - エンドルフィン
内在性鎮痛系、多幸感
これらのホルモンは筋運動による乳酸蓄積に下垂体が反応した結果、分泌されます。
筋運動 → ホルモン分泌 → 筋肉量増加 → 基礎代謝向上 → 酵素活性向上
うまい仕組みになってますよね本当に。
5.タンパク質と筋肉
古くなった細胞の分解を異化、新しい細胞の合成を同化と言いますが、人の体でが1日で約250gのタンパク質が異化と同化により代謝されています。
内訳は筋肉32g、肝臓23g、血清22g、ヘモグロビン8g、その他(骨、心臓、腎臓)8g
またタンパク質から分解されたアミノ酸の80%はアミノ酸プールとして血液中や細胞間質に保持されています。
6.糖質と筋肉
インスリンが作用すると筋肉内(細胞内)に血糖が取り込まれます。
実はインスリン以外にも筋肉内への糖の取り込みを促進するものが他にもあります。
IGF-1(インスリンライクグロウファクター1、インスリン様成長因子1)というものがあります。
名前の通りインスリンと似た効果を発揮します。
肝臓で産生されるホルモンで分泌のトリガーは成長ホルモンの分泌です。
ということは、つまり筋運動です。
このIGF-1が重要なのは糖尿病患者で特によく理解できると思います。
糖尿病にはインスリンが元々ない1型とインスリンが効かない2型とあります。
1型の場合は自己注射で対処できますが2型はそれができません。
かといって糖質制限などすれば低血糖で即死します。
そこでIGF-1の出番です。
筋肉内(細胞内)への糖の取り込みを促進してくれるので高血糖を改善できますよね。
分泌のトリガーは成長ホルモンの分泌でした。
成長ホルモンの分泌トリガーは筋運動でした。
2型糖尿病患者に必要なのはインスリン注射ではなく運動習慣です。
ま、それができないから2型糖尿病になってるんですけどね。
さいごに
これでこのブログを読んだメンバーの皆さんは「運動が大事」な理由が生理学的に理解できたかと思います。
運動が大事です!なんて誰でも言えます。
ですがWhy?の部分をちゃんと話せるセラピストは多くありません。
ストレスは体に悪い。これも誰でも言えることです。
ですがこれもWhy?の部分をちゃんと話せるセラピストは多くありません。
集-tsudoi-に入校したからにはこのあたりは理解・説明できるようになってもらいますからね(ニヤリ
ではまたっ。

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参考および引用書籍・サイト
集-tsudoi-のブログでは以下のリストを参考もしくは引用しています。
書籍
- ガイトン生理学 原著第13版
- 筋骨格系のキネシオロジー 原著第3版
- グレイ解剖学 原著第4版
- プロメテウス解剖学 コア アトラス 第4版
- カラー図解 人体の正常構造と機能
- カンデル神経科学
- カパンジー機能解剖学
- 頭蓋仙骨治療
- アナトミー・トレイン
- チャップマンとグッドハートによる神経リンパ反射療法
- オステオパシーの内臓マニピュレーション
- The Mulligan Concept of Manual Therapy: Textbook of Techniques
- 臨床家のための基礎からわかる病態生理学
- マッケンジーエクササイズ頚椎・胸椎―構造的診断と治療法
- 腰椎―マッケンジーエクササイズ
- 「ポリヴェーガル理論」を読む
- からだのためのポリヴェーガル理論: 迷走神経から不安・うつ・トラウマ・自閉症を癒すセルフ・エクササイズ

