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感度・特異度の本当の価値

どうもどうも、タケヒロです。

こんなツイートをしていたらふと頭の中に出てきた感度・特異度…(どんな思考回路よ)

みなさんは感度・特異度ってわかってますか?

言葉の意味だけならこの無料ブログで理解できますよ。

ですがね、感度・特異度だけ知っててもぶっちゃけあんまり意味ないんですよ。

言葉の意味は知っています!

で、それが臨床の役に立つのかってなると、それだけだと糞の役にも立たないんですね。

感度・特異度には続きがあって、尤度比(ゆうどひ)ってのがあります。

しかしまたこの尤度比も言葉の意味だけ知っていても役に立たないんですね。

尤度比にも続きがありまして、それをこのブログでは解説していきます。

まずはおさらい

文字だけで説明されても理解しにくいと思うので下の表をまずは見てください。

  • 感度
    本当に疾患がある人の中からどれだけの人がちゃんとその検査で陽性と判断されるかっていう確率
  • 特異度
    本当に疾患のない人の中からどれだけの人がちゃんとそん検査で陰性と判断されるかっていう確率

ね、これだけ知ってるからって何の役に立ちますか?

このテストは感度〇〇で特異度〇〇です!

 

 

だけなんなん?

 

 

続きいきましょう。

尤度比

尤度比ってのは感度・特異度の比率を指す言葉です。

で、2種類ありまして

  • 陽性尤度比
    疾患もちが疾患なしに比べてその検査で何倍、陽性になりやすいか。
  • 陰性尤度比
    疾患なしが疾患もちに比べてその検査で何倍、陰性になりやすいか。

それぞれ求め方の計算式は以下の通りです。

陽性尤度比は10以上で有効とされ、陰性尤度比は0.1以下で有効とされています。

つまり、ある徒手検査の陽性尤度比が1とかだとその徒手検査の信頼性は極めて低いと判断できるわけです。

役者は揃った

ここまでで、感度・特異度・尤度比の役者は揃いました。

さらに続きがありまして。

Fagan’s Nomogramという面白いものがあります。

左の数字が検査前確率、ぼくらで言う問診、視診などでしょう。

問診の段階でこの人は◯%の確率で腱板損傷がありそうだ。(◯%の確率で腱板損傷がなさそうだ)みたいな感じ。

真ん中は尤度比です。

右の数字は検査後確率、実際に精密検査したら陽性または陰性となる確率です。(徒手検査結果との一致率)

 

使い方はこうです。

①問診の段階でこの人は50%の確率で〇〇だろう。と判断し

②陽性尤度比が10の徒手検査をしました。

この時、画像検査をして陽性となった場合の一致率は…③90%なので、その徒手検査は信頼性があるものと言えます。

では次に

④問診の段階でこの人は80%の確率で〇〇だろう。と少し確信をもって

⑤陽性尤度比が0.1の徒手検査をしました。

この時、画像検査をして陽性となった場合の一致率は…⑥45%なので、その徒手検査は信頼性に欠けるものと言えます。

45%ってことは2人の患者の徒手検査して2人とも陽性でもどちらか1人は誤診ということになりますからね。

これが100人検査したら55人は誤診になるってことです。結構やばくね?

あの有名な徒手検査の信頼性は?

ではここでエンプティカンテストを例にとってみましょう。

このありがたい無料ブログによるとエンプティカンテストの陽性尤度比は1.3だそうです。

世界一有名と言っても過言ではない棘上筋損傷の徒手検査の陽性尤度比が1.3は衝撃ですよね。

ではFagan’s Nomogramに当てはめてみましょう。

問診で棘上筋損傷の確率が50%と判断した場合…

エンプティカンテストと画像検査の一致率は57%くらいですかね。

どう思います?

エンプティカンテストが陽性だから棘上筋損傷だぁ!なんて言えなくなりません?

それでハイ正解は国家試験までってことです。

  

次にマックマレーテストで見てみましょう。

これもありがたい無料ブログによると陽性尤度比は2.4だそうです。

問診で半月板損傷の確率が50%と判断した場合…

マックマレーテストと画像検査の一致率は75%くらいですかね。

有名な徒手検査であっても25%の確率、つまり4人に1人は誤診になるってことです。

 

テニス肘における中指伸展テストにいたっては陽性尤度比は不明もしくは0.88です。

もはや、やる意味ある?って感じです。

後述しますがやる意味は大いにあります。

徒手検査を否定したいのではない

ここまで書いてぼくが言いたいのは、

徒手検査クソやん!

てことではないんです。

 

徒手検査を上手にやっても外れることがある、もしくは検査によっては外れてばっかりのことがある。

つまり損傷特定という構造フェーズで徒手検査をしていると誤診という痛い目に合うってことです。

 

その検査が陽性になったのなら、それはそれでメモしておいて、損傷(構造)ではなく、機能で陽性になりうる理由も探る必要があるということです。

徒手検査の結果はベースライン(介入効果判定)には十分に活用できます。(だからやる意味は大いにある)

機能改善を行った後に再度検査して陰性になれば、機能改善がなされたと判断できるはずです。

 

てことは大事な知識として上がってくるのはやはりバイオメカニクスですよね。

バイメカは体のルールです。

ルールの破綻が症状を起こしていることは多々あります。

集-tsudoi-では千木良先生が1年かけてバイオメカニクスを補填してくれました。

利用しない手はないでしょう。

参考および引用書籍・サイト

集-tsudoi-のブログでは以下のリストを参考もしくは引用しています。

書籍

サイト

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