食道・胃・十二指腸の解剖生理学

消化器の画像

どうも。スズキタケヒロです。

今回は食道・胃・十二指腸の解剖学と生理学についてまとめます。

とは言え教科書的な内容は極力カットします。

なるべく我々の臨床につながる内容をかいつまんでお伝えしますのでよろしくどうぞ。

目次

食道

食道の画像
グレイ解剖学 原著第4版より

食道は約25cmの筋性の管で内側から粘膜層、筋層、外膜層の3層構造をしています。

食道の起始部と終末部は緊張が高く、嚥下が始まると起始部の平滑筋が緩み、輪走筋・縦走筋がともに起始部から終末部に向かって収縮を起こして食物を運びます。(蠕動運動)

この働きのおかげで逆立ちしながらでも食物を飲み込むことが可能なわけです。

断面に着目

食道の画像2
ガイトン生理学 原著第13版より

この絵の中にあるマイスナー神経叢と筋層間神経叢(アウエルバッハ神経叢)はともに迷走神経です。

自律神経障害を起こすと食道筋は収縮しっぱなしになり嚥下障害などが起こります。

詳しくはこちらのブログで。

胃の画像
グレイ解剖学 原著第4版より

胃は上部は横隔膜の高さにあり、幽門部(出口)は臥位でL1〜2の高さに、立位ではL4に位置します。

 

姿勢や食物含の有無で大きくポジションが変わります。(=腹膜固定なし)

 

これが病的になるといわゆる胃下垂と呼ばれるものになります。

胃下垂は胃が骨盤腔に達した状態です。

胃下垂は無気力な女性に多いと言われますがこれはちょっと間違いだと思います。

無気力だから胃下垂なのではなく胃下垂だから無気力になるんです。

その理由、胃は筋肉です。

筋肉は収縮する際に必ずATPが必要になります。

胃は腹膜に固定されていません。

つまり収縮できなければ下垂していきます。

収縮できないのはATPが枯渇しているからです。

なので胃下垂だから無気力なのではなく、無気力だから胃下垂という言い方のほうが自然です。

胃の画像2
グレイ解剖学 原著第4版より

胃の空腹時の容量は50mlで食後は2Lまで拡張します。

胃本体は腹膜に固定はされておらず噴門部の横隔膜、幽門部の腹膜によって入口と出口で止められているだけです。 

 

胃では食物は小弯を降りたら大弯に溜まります。(上図参照)

その後、噴門から幽門に向かって蠕動運動が起こり食物が攪拌されます。

ここで胃液と混ざり合い半流動性になり、胃内圧が幽門括約筋と十二指腸内圧を超えると食物は十二指腸に流れ出します。

 

胃の筋層は外側から縦走筋、輪走筋、斜線維の3層です。

胃では主に以下を行います。

・食物の殺菌

・胃酸でのタンパク質分解

・食物の糜粥化(おかゆ状にする)

これらが行われることで吸収が可能になります。

咀嚼もそこそこに胃に食物がくれば胃が大変のは想像に難しくないと思います。

粘膜構造

胃の画像3
人体の正常構造と機能 第4版より

この粘膜固有層には胃腺(胃液の分泌線)があり、血管、リンパ管、免疫細胞が集まりリンパ小節を形成しています。

胃腺は胃小窩の底にあり、部位により3種類があります。

・噴門線(粘液分泌)

・固有胃腺(粘液、塩酸、ペプシノーゲン分泌)

・幽門線(粘液分泌)

入口の噴門部で粘液が分泌され重力で下降、消化現場の胃体部では塩酸やペプシノーゲンなどの消化酵素が主に分泌され、食物の溜まる幽門部では粘液分泌をして胃を保護しています。

胃の画像4
ガイトン生理学 原著第13版より

これは胃小窩の断面になります。

それぞれの細胞と分泌物はこんな感じです。

壁細胞:塩酸分泌

主細胞:ペプシノーゲン分泌

副細胞:ムチン(粘液)分泌

よく見ると下半分に消化液の分泌腺が集中しており、上部に粘液腺があります。

これも防御機構の一種でしょうね。

十二指腸

十二指腸の画像
グレイ解剖学 原著第4版より

十二指腸は胃の幽門部から続く小腸の最初の領域になります。

上部はL1の右から始まって後方に向かってL3まで下がり、そこから水平に左に移行しL2の高さまで上行します。

長さは25〜30cmで馬蹄形をしていて上部、下行部、水平部、上行部の4つに区分されます。

前面を腹膜、後面を癒合筋膜により固定されます。(サンドイッチ)

ちなみに腹膜外器官なので背部に症状が出やすいです。

夜中に中華料理とか焼肉食べた翌日に右の背部痛や起立筋の過緊張があればビンゴです。

プチ十二指腸潰瘍起こしてます。

十二指腸では主に以下を行います。

・食物に含まれあらゆる栄養素の分解

・胃酸により酸性化した食物の中和

十二指腸は全ての栄養素を分解して吸収できるようにする消化の主役です。

十二指腸での消化

十二指腸の画像
グレイ解剖学 原著第4版より

十二指腸は全ての栄養素を分解するので消化の主戦場です。

十二指腸の下行部には2つの穴があり

高位の穴を小十二指腸乳頭、下位の穴を大十二指腸乳頭(ファーター乳頭)と言います。

どちらも膵液を分泌するんですが同じ膵液分泌腺でも目的が異なります。

小十二指腸乳頭は膵液のみを分泌し、胃からやってきたばかりの酸性の食物の中和に全力を注ぎます。

大十二指腸乳頭は膵液と胆汁を分泌し、食物の消化と乳化を行います。

また、大十二指腸乳頭にはオッディ括約筋があり、膵液と胆汁の分泌量をコントロールしています。

このオッディ括約筋は内臓筋なのに自律神経管理ではなくホルモン管理です。

そのホルモンがコレシストキニンです。

このコレシストキニンは脂に反応して分泌され、胆嚢を収縮とオッディ括約筋の弛緩を起こし胆汁を大十二指腸乳頭から放出させます。

消化管の括約筋弛緩

脂を多く含む食事(暴飲暴食)による過剰分泌になるとどうなるか考えてみると面白いかもしれませんね。

 

ちなみに膵液の分泌機序には2種類あり

神経性

促進:副交感神経
抑制:交感神経

体液性

促進:コレシストキニン
抑制:カルシトニンやソマトスタチン

というような内容になります。

自律神経が出てきたのでよく覚えておいてくださいね。

消化の3相

消化には3ステップがあるのは覚えていますか?

1.脳相

2.胃相

3.腸相

国試勉強でやったかも?ですよね。

この3相では自律神経が大いに絡んできます。

と、長くなるので今回のブログはここまでにします。

続きはこちらのブログで…

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