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JOINT BY JOINT 知らないとマズい身体ルール

JOINT BY JOINTの画像

今回はJOINT BY JOINT Theoryについて解説します。

JOINT BY JOINTとは

こういう画像をよく見ませんか?

JOINT BY JOINTの画像2

これは各関節の特性を説明した画像です。

関節には安定性と可動性の2つの特性があり、それに基づいて体は機能しています。

安定性(スタビリティ関節)

下部頸椎、肩甲胸郭関節、肘関節、腰椎骨盤帯、膝関節、足部が該当します。

安定性と聞くと固定されるべきという解釈をしてしまう人がいますがこれは間違い。

安定性とは正しい可動域の中で制御されるべきという意味になります。

可動性(モビリティ関節)

上部頸椎、胸椎、肩関節、手関節、股関節、足関節が該当します。

可動性はとにかく動きが求められるという解釈です。

しかしただ動きゃいいってわけではありません。(下記ブログで説明済み)

それぞれの機能が失われると

それぞれの関節においてその機能が破綻すると隣接する関節にその機能が強制されます。

画像を見ると安定性と可動性が交互に並んでいるのに気づくと思います。

JOINT BY JOINTの画像2

例えば胸椎の可動性が低下すれば下部頸椎か腰椎骨盤帯にその機能が強制されます。

しかし下部頸椎も腰椎骨盤帯も機能は安定性であり、可動性との両立はできません。

こうして体の機能が破綻して痛みなどの障害を生み出すというわけです。

次の項からは具体例を出して臨床に沿った解説をしていきます。

頸椎と胸椎

頸椎は上部頸椎(C1-2)と下部頸椎(C3-7)に分けられ前者は可動性、後者は安定性となっています。

胸椎は可動性です。

胸椎の可動性が低下すると

胸椎の可動性が低下するとその機能が下部頸椎に強制されます。

下部頸椎は安定性を犠牲にして可動性に変化します。

しかし頸椎において上部の可動性は下部の安定性によって機能しています。

下部の安定性がなくなれば上部の可動性は失われます。

そのメカニズムは…

  1. 胸椎の可動性低下
  2. 下部頸椎の安定性喪失
  3. 周囲筋の緊張により代償
    胸鎖乳突筋や肩甲挙筋、僧帽筋など
  4. 上部頸椎が固定され可動性を失う
    胸鎖乳突筋の付着は乳様突起〜鎖骨、肩甲挙筋の付着はC1-4〜肩甲骨
    僧帽筋は後頭骨および頸椎〜背部に広く付着
  5. 首が動かなくなる
    胸鎖乳突筋やが肩甲挙筋過緊張を起こせば上部頸椎の固定が起こります。
    僧帽筋の緊張で肩がすくむことで頸椎に圧縮固定が起こります。

さらに解釈を広げれば頸椎への圧縮力は

椎間板にも圧縮力が加わるのでヘルニアを助長するかもしれません。

血管を潰すので脳への血流が低下するかもしれません。

脳への血流を確保するために血圧を上げるかもしれません。

ちなみに頸椎は伸展で締まりますが上位交差性症候群はどうでしょう。(Aの姿勢)

JOINT BY JOINTの画像3
JOINT BY JOINTの画像4

上位交差性症候群で過緊張を起こす筋は斜角筋、肩甲挙筋、後頭下筋群です。

全て上部頸椎の固定を起こしますよね。

JOINT BY JOINTで考えても上位交差性症候群で考えても結果は一致するんです。

こうして考えると必要な検査や手技や運動が自ずと見えてくると思います。

頸椎症状には胸椎の可動域検査が必須で、可動域低下があるなら胸椎の可動域改善は急務ということです。

肩甲胸郭関節と肩関節

肩甲胸郭関節は安定性、肩関節は可動性です。

これは肩甲胸郭関節に安定性により肩関節が可動性を発揮できることを意味します。

肩甲胸郭の安定性が失われれば肩関節の正常な運動が破綻してぶっ壊れます。

詳しくはこちらで。

胸椎と腰椎骨盤帯

胸椎は可動性、腰椎骨盤帯は安定性です。

胸椎の可動性が低下すると

胸椎の可動性が低下するとその機能が腰椎骨盤帯に強制されます。

腰椎骨盤帯は安定性を犠牲にして可動性に変化します。

しかし胸椎と腰椎とでは構造が明らかに違っており、胸椎は屋根瓦状に前額面上に関節が配置されているのに対して腰椎では矢状面状に関節が配置されています。

ある1箇所を除いては。

腰仙移行部の画像

そう、L5/S1椎間関節は前額面を向いて関節が配置されています。

この構造にしないと腰椎の前弯に荷重が乗った際のL5/S1での剪断力に対抗できないからです。

前額面を向いているということは回旋ができてしまうということです。

胸椎の回旋可動域が低下すればこの部分に回旋ストレスが集中するのは想像に難しくないと思います。

腰部下部に腰痛を訴える人って多くないですか?

ヘルニアの好発部位ってどこでしたっけ?

ゴルファーの腰痛はどの部位に多いですか?

こうして考えると必要な検査や手技や運動が自ずと見えてくると思います。

腰椎症状には胸椎の可動域検査が必須で、可動域低下があるなら胸椎の可動域改善(特に回旋)は急務ということです。

ただし要注意。

胸椎の回旋可動域が低下しているから回旋手技や回旋運動をしよう!をすると実施中に結局腰椎下部にストレスが集中します。
胸椎の回旋可動域回復に回旋系メニューは非推奨です。

じゃ何をすればいいの?

これはまず自分で考えてみて下さい。(2022年5月第1回Zoom定例会の冒頭10分で柳先生が答え言ってたんですけどね)

腰椎骨盤帯と股関節

もう細かな説明は不要だと思います。

腰椎骨盤帯は安定性、股関節は可動性。

股関節の回旋可動域が低下すれば…

胸椎と腰椎のパターンと同じことが起こります。

股関節と膝関節

股関節は可動性、膝関節は安定性です。

股関節の回旋可動域が低下すれば膝関節に回旋ストレスが生じてぶっ壊れます。

機能破綻には雛形がある

JOINT BY JOINTの考え方とセットで覚えておきたいのが機能破綻の雛形です。

雛形というのはつまり「あるあるパターン」です。

JOINT BY JOINTの画像3

頸椎の雛形は前方頭位による上部頸椎の伸展と下部頸椎の屈曲です。

肩甲胸郭関節は外転ですね。

胸椎と腰椎で言えば屈曲です。

骨盤は後傾ですね。

骨盤が後傾すれば股関節は外旋して関節面の被覆面積が狭くなります。(下記ブログに詳細あり)

足部から肩への運動連鎖2

足部は過回内が雛形でこれにより下腿が内旋します。

股関節の外旋と下腿の内旋が膝関節でぶつかると捻れが発生します。

膝関節は雑巾絞り状態になりぶっ壊れます。

といったように機能破綻には雛形があり、これとJOINT BY JOINTが頭に入った状態で臨床に立てば必要な検査、必要な手技や運動が自ずと見えてくるはずです。

=それは病態把握ができているということです。

症例相談で〇〇に症状の患者さんに〇〇したけど良くならなくてという先生に「どんな病態だと思ったんですか?」と聞くと答えられないことがよくあります。

=それは病態把握ができていないということです。

ということでJOINT BY JOINTはぜひマスターしておきたいですね。

ではまたっ。

参考および引用書籍・サイト

集-tsudoi-のブログでは以下のリストを参考もしくは引用しています。

書籍

サイト

JOINT BY JOINTの画像

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